ウマスギゴケ

京都の寺に見られる多くの苔庭で「杉苔」として紹介されているもののほとんどがウマスギゴケです。
ウマスギゴケは明るい湿地な場所に大きなコロニーを作り、
枝分かれせずに年3~5㎝ほど成長します。

 

 

倒伏と枯死

庭園のウマスギゴケは4年以上経つと、10~15㎝ほどの茎高になります。
伸びた茎の下部は次第に劣化して土壌化して行きます。そのため、ウマスギゴケは倒れやすくなります。
このように、株が倒伏するとコロニーが崩れ保湿空間が失われることによって環境が乾燥状態になり、やがて枯死してしまいます。

 

仮根層の新株

本来、自然環境の中で生育しているウマスギゴケは基盤土の中に仮根を発達させて毎年新しい株を発生させます。新しく生まれた株が劣化した古い株の隙間を埋めてコロニーの生育環境を維持しています。

 

苔庭の問題点

健全なウマスギゴケは土中の仮根部から新株が発生し、コロニーを保持する生態を有していますが、人工的に移植された庭園のウマスギゴケの倒伏枯死現象は、この仮根が未発達であるために新株の発生が少なく、コロニーが倒伏し易くなるために起こるものです。この画像のように、人工的に移植されたウマスギゴケの場合、倒伏枯死する場合が多く見受けられます。この状況では仮根層が生育せず発育の循環が遮断された状況になっています。

苔庭作庭で失敗しないために

ウマスギゴケの庭園育成で重要なことは、仮根層の発達です。ウマスギゴケは土中の仮根から、毎年、新株を発生させます。この新株が発生することで、世代交代とコロニー形成が自然に行われるようになります。

良質な苔苗を使う

苔庭を作庭する際にウマスギゴケを移植する場合時には、仮根が十分に育成された苗を使用する必要があります。市場に出回っている一般的なスギゴケの苗は基盤土の薄い苗です。培土が少ないために、栽培期間中に仮根層はあまり育っていない場合あります。また、栽培期間が短いため、仮根層が未生育のまま出荷される場合がほとんどです。

良質な基盤土を作る

さらに、移植作業で注意しなければならないのは、苔庭の基盤土の保水性と排水性です。苔庭の土壌がウマスギゴケの育成に合っていなければなりません。仮根層が十分に発育した良質な苗を、保水性が高く水はけの良い培養土の上に移植すれば持続可能な美しい苔庭を作ることが可能になります。