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庭先果樹

庭先果樹の栽培と管理

1.種類・品種の選定
果樹類は適地適作の原則に従う。
◎冷涼地向きの種類:アンズ、オウトウ、クルミ、スグリ、マルメロ、リンゴ
◎温暖地向きの種類:ウメ、オリーブ、カキ、ザクロ、キウイフルーツ、ビワ、ミカン類、ヤマモモ
◎全国で栽培可能な種類:クリ、スモモ、ナシ、ナツメ、ブドウ、ブルーベリー、モモ

苗木を購入する際には、細根の多い充実したものを選ぶ。

2.植え付けの方法

1)植え付け時期
落葉果樹の苗木は落葉直後から発芽直前までの休眠期に植え付けるが、暖地では秋植え、寒地では春植えがよい。

2)植え穴
大きければ大きいほど酸素の供給量が多くなるので生育にはよい。径100〜150cm、深さ60〜100cmが標準。埋め込んだ有機物が腐敗するにつれて土が沈み、苗木が深植えとなることを防ぐために、植え穴は、植え付けの1〜2ヶ月前に準備する。

3)植え付けのポイント
苗木の根は自然に四方に広げ、先端は下向きになるように配置し、根の間に土がよく入るようにする。土は接ぎ木部まで充分にすき込む。灌水もたっぷり行う。寒さと乾燥を防ぐために敷きわらを行い、苗木が倒れないように支柱で支える。

3.結実と管理

種類や品種によっては同一品種内では結実しない性質(自家不和合性)、または品種間の組み合わせによっては結実しない性質(交雑不和合性)がある。単植では結実しにくい果樹の場合には授粉樹を混植したり、人工授粉などを行い結実の確保をはかる。授粉樹を必要とする果樹で自家不結実性のものは、ナシ、リンゴ、ウメ、スモモ、アンズ、オウトウ、クリ、クルミ、キウイフルーツ、カキ、ポポー、マルメロ、ヤマモモ、オリーブ、ハッサクなどの多くと、ブルーベリー、フェイジョアなどの一部。交雑不和合性のものは、ナシ(幸水×新水)、オウトウ(ナポレオン×ビング)がある。また、花粉の無いものにモモ、カキ、ウメの一部品種がある。授粉樹を必要としない自家結実性の果樹としては、モモ、ブドウ、スグリ類、カリン、ザクロ、ビワ、グミ類、ナツメなどの多くと、ブルーベリー、フェイジョアの一部、カキの禅寺丸などがある。受精しなくても果実のできる単為結果性の果樹としては、バナナ、パイナップル、イチジク、ネーブルオレンジ、ウンシュウミカンなどの多くと、カキの平核無、ブドウのヒムロットシードレスがある。授粉樹の条件としては、以下のような種類と品種のものを選ぶ。

主品種に対して親和性が高く、受精率がよい。
開花期が主品種と同時期であるか、多少早め。
完全な花粉を多く含んでいる。
授粉樹そのものも結果がよく、経済的な品種。

人工授粉の方法には、花から直接花粉を付ける方法、花粉を毛筆や耳かきに付けて受粉させる方法、多量の場合には受粉機で花粉を散布する方法などがある。

4.整枝・剪定の目的と方法

1)整枝・剪定の目的
品質良好な果実を毎年多量に生産するとともに、果実の採収やその他の労力を節減するために、幼木時から適切な整枝・剪定を行う。

2)整枝・剪定の方法
果樹の結果習性によって剪定方法が異なる。一般的に結果習性は三通りに分かれている。

◎新しく伸びた新梢に花芽ができ、翌年に花芽から新梢を伸ばしてそこに果実をつけるもの:カンキツ類、ブドウ、カキ、クリ、ビワなど。

◎新しく伸びた新梢の腋芽に花芽ができ、翌年その花芽がそのまま開花して果実をつけるもの:モモ、ウメ、アンズなど。

◎新しく伸びた新梢の頂芽、または、腋芽が花芽となり、翌年その花芽がそのまま開花して果実をつけるもの:ナシ、リンゴなど。

剪定は結果習性を考えながら、適当な結果母枝(結果枝)を太枝の基部から先端まで、均等につけるように行う。
剪定の順序としては、主枝・亜主枝の先端を頂点とする二等辺三角形になるように上部から下部へと行う。
落葉果樹の冬季剪定の時期は落葉直後から発芽直前までの休眠期で、ミカン類などの常緑果樹は3月が適期。

5.摘果の目的と方法
結果量を調節すること、果実の大きさや品質、着色をよくし、圴一なものが収穫でき、翌年の着花を確保するために摘果を行う。
生理的落果がなくなりしだい行うのが適期で、できるだけ早めに行う。
摘果の程度は果実一個当たりの葉数で考える。
人為的に摘果する他に、自然に落果する生理的落果があるが、雌ずいの不完全、不受精、胚の発育停止などの他、チッ素の過不足や同化養分の不足、土壌乾燥、低温、などに原因がある。

◇適正結果量の目安
ナシ:25〜30葉に1果・摘果時期は5月上旬〜下旬
モモ:15〜20葉に1果・摘果時期は5月中旬〜下旬
カキ:   20葉に1果・摘果時期は7月上旬〜中旬
柑橘類:20〜25葉に1果・摘果時期は7月中〜8月上旬
ビワ:1果房当たり1〜2果・摘果時期は2月中〜3月下旬
ブドウ:1結果枝に2〜3房・摘果時期は開花期
リンゴ:40〜50葉に1果・摘果時期は6月上旬

6.病害虫の防除
一般庭は通風、採光が悪いので病害虫の発生率が高まる。
適切な薬剤を適期に散布する。農薬以外の防除方法としては
・袋掛け
果実にかぶせて害虫からの被害を防ぐ方法で、庭先果樹栽培には最も手っ取り早い方法。
・落葉の処理
落葉は病害虫の越冬場所になるので廃棄するか地中深く埋める。
・粗皮削り
カキ、ナシ、ブドウなどは木が大きくなると幹の表面に粗皮ができ、この割れ目にカイガラムシなどが越冬するので春先に削って処分する。
・枯れ枝の除去
枯れ枝も病害虫の巣となるので除去する。

7.肥料と施し方
果樹には庭木以上に肥料を充分に施し、枝葉に光沢のある健全な木になるように維持管理する。
施肥は、秋肥(9月下旬〜11月上旬)、春肥(2月下旬〜3月下旬)、夏肥(6月上旬〜下旬)の、年三回行う。
秋肥が元肥なので、庭先果樹の場合には秋肥を主体(70%)に、春肥(20%)、夏肥(10%)を施す。
肥料は有機肥料を主体にするか、堆肥・きゅう肥を混ぜれば、化学肥料でもよい。
施肥溝を掘り、堆肥などと一緒に埋め込むと効果が高まる。

◇1樹当たりの年間施肥量(成分)
・三年生:チッ素50g、リン酸30g、カリ50g
・五年生:チッ素100g、リン酸50g、カリ100g
・十年生:チッ素500g、リン酸300g、カリ500g

8.接ぎ木技術で楽しむ庭先果樹
1本の果樹に数品種を接ぎ木することでいろいろな果実をならせることができる。
ただし、接ぐ木(穂木)と接がれる木(台木)の性質が似ていることが条件。
時期は種類によって異なるが、一般的には4月上旬〜5月上旬が適期。
穂木は休眠期中に採取し、ビニル袋に密封して冷蔵保管しておく。
接ぎ方には、はぎ接ぎ、切り接ぎ、腹接ぎなどの方法がある。

主要庭先果樹の樹種別手入れ

リンゴの栽培管理   (バラ科)

ヨーロッパ、西部アジアの原産。冷涼で雨の少ない気候を好むため、日本では中部地方以北が適地。
主要品種
・早生種:紅魁(ベニサキガケ)
・中生種(ナカテ):祝、津軽、阿波三号
・晩生種(オクテ):紅玉、恵、陸奥、ふじ、王鈴、世界一、ゴールデンデリシャス、スターキングデリシャス

1)整枝・剪定
整枝は一般的には変則主幹形が用いられる。
剪定は強すぎる枝、混んでいる枝、直上枝、下垂枝などの間引き剪定を主に行い、木のふところ部分まで充分に光線が入るように行う。

2)結実管理
リンゴは自家不結実性が強いので、授粉樹を混植して結実の確保をはかる。

3)主な病害虫の防除
うどんこ病が葉、枝、果実を侵すので、トップジンM水和剤の1500倍液を開花期の前後に散布する。
ハマキムシ類の駆除は、スミチオン乳剤1000倍液を発芽直後に散布する。
シンクイムシ類には適期にスカウト乳剤を散布する。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

ナシの栽培管理   (バラ科)

原産地によって、日本ナシ(日本)・中国ナシ(中国)・西洋ナシ(ヨーロッパ)の三種類に分けられる。
日本ナシは、熟した時の果皮の色が、青緑色系の青ナシと、赤褐色系の赤ナシに分けられる。
主要品種
・早生種:新水(赤)、八幸(青)
・中生種:長十郎(赤)、幸水(赤)、豊水(赤)
・晩生種:新興(赤)、晩三吉(赤)、今村秋(赤)

1)整枝・剪定
収穫期が台風シーズンにあたるため水平棚仕立てが適当であるが、庭先果樹の場合には立木仕立てでも可能。
剪定は発育旺盛な徒長枝、直上枝を除去する。
側枝(結実枝)は、太枝に近づけるように切り返しを行う。

2)結実管理
一本植えだと、ほとんど結実しないので授粉樹の混植が必要。

3)病害虫の防除
病原菌が庭木のイブキ類に寄生して越冬する赤星病(葉に赤い病斑ができ、葉裏には房状の突起が形成され、実につくこともある)が発生するため、3月下旬〜4月上旬に石灰硫黄合剤の30倍液を散布する。
開花期を重点にマンネブダイセンM水和剤の500倍液を散布する。
黒星病(赤ナシ系統に被害が大きく、葉や果実にスス状のカビが生ずる)には、4月〜5月にトップジンM水和剤の1500倍液を散布する。
アブラムシ類、ハマキムシ類の防除には発芽期〜開花直前にスミチオン水和剤の800倍液を散布する。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

モモ類の栽培管理   (バラ科)

原産地は中国。栽培地は日本全国に分布しているが、耐水性が特に弱いので、通気・排水のよい土質に適する。
主品種
・早生種:布目早生、砂子早生、松森早生
・中生種:白鳳、大久保、箕島白桃
・晩生種:白桃、西野白桃、高陽白桃

1)整枝・剪定
枝が開く性質があるので、開心自然形が適当。
切り口のなおりが悪いので、太枝の剪定には注意が必要。
長果枝は伸長量の1/3を切り返して太枝の近くに結果させるようにする。

2)結実管理
花粉のない品種(砂子早生、白桃、箕島白桃、西野白桃)があるので、授粉樹(大久保、白鳳)の混植が必要。

3)病害虫の防除
コスカシバが6月〜9月に、樹皮の割れ目に産卵するので、休眠期、芽出し前にサッチューコートSの50倍液を散布する。
縮葉病の予防には、発芽直前に石灰硫黄合剤の7倍液を散布する。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

ウメの栽培管理   (バラ科)

中国原産。年間平均気温13〜15℃以上の温暖地が適地であるが、気象条件に対する適応性が大きいのでほとんど全国的に栽培が可能。
主要品種
・白加賀、玉英、鶯宿(オウシュク)、梅郷、花香実、甲州最小、などがある。

1)整枝・剪定
開張性であるため、開心自然形が適している。また、空間に合わせて樹形を作るのもよい。
樹形を乱雑にさせる徒長枝や交差枝を発生基部から間引く。
結果枝(実のつく枝)は長果枝(30cm以上で実がつく枝)の先端部を1/3程度切り返して、太枝の近くに着果させるようにする。

2)結実管理
自家不結実性が強いので、授粉樹の混植が必要。
花粉量の豊富な品種には鶯宿、梅郷、甲州最小などがある。

3)病害虫の防除
黒星病、アブラムシ病、カイガラムシ類が発生する。適期に適切な薬剤を散布する。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

オウトウの栽培管理 【別名】さくらんぼ   (バラ科)

オウトウ(さくらんぼ)は、アジア系とヨーロッパ系に大別される。
ヨーロッパ系の原産地は、アジア西部のカスピ海、黒海沿岸地方。生育期間中に雨量が少なく、比較的冷涼な気候を好む。
主要品種
・早生種:日の出
・中生種:ジャブレー、佐藤錦、高砂、黄玉、大紫
・晩生種:ナポレオン、ビング

1)整枝・剪定
整枝は変則主幹形がよい。剪定は上下と左右との間でひどく込み合っている枝を間引く。
サクラの類は切り口のゆ合が悪いので、なるべく太枝を切らない。

2)結実管理
自家不結実性が強く、また交雑不和合性があるので、親和性のある品種を混植する必要がある。ナポレオン、佐藤錦、高砂の組み合わせが最もよい。

3)病害虫の防除
灰星病(葉や果実などに淡褐色の病斑が生ずる)、せん孔褐斑病、樹脂病(枝や幹からヤニがでてきて樹勢が衰える)、アブラムシなどが発生するので適期に防除する。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

ビワの栽培管理   (バラ科)

中国及び、日本の原産。常緑果樹で、ミカン類と同じように年間平均気温が15℃以上の温かい土地に適している。土質は砂地を除き、適応性が広い。
主要品種として、茂木、田中、楠、森尾早生などがある。

1)整枝・剪定
3段盃状形に仕立て、日当りをさえぎる徒長枝や交差枝などを間引き、伸びすぎた側枝の切り返しなどを行う。蕾が見え始める9月上旬〜中旬が適期。

2)摘果
4月上旬になって寒害の危険がなくなったのを見定めて、茂木で2〜4個、田中で1〜2個を1果房に残して他を摘果する。

3)病害虫の防除
果実は袋かけで防止するが、葉につくミドリオオアブラムシの防除には、粘着くん水和剤を散布する。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

クリの栽培管理   (ブナ科)

クリには、中国グリ(中国)、ヨーロッパグリ(ヨーロッパ)、アメリカグリ(アメリカ)、日本グリ(日本)の四種類がある。日本グリは渋皮離れの悪い欠点があるが、日本の気候風土に最も適している。
主要品種
・早生種:豊多摩早生、森早生、丹沢、伊吹
・中生種:銀鈴、筑波、銀寄
・晩生種:石鎚、岸根

1)整枝・剪定
樹冠内部への太陽光線を妨げる枝を間引く程度の軽い剪定でよい。

2)結果管理
自家受粉では結実しにくい性質を持っているので、開花期のほぼ等しい異品種を植え付ける必要がある。

3)病害虫の防除
クリタマバチは薬剤による防除ができないので、抵抗性品種を植えることが必要。枝幹に発生するカミキリムシ類の防除には、6月下旬〜7月上旬にトラサイドA乳剤の100〜200倍液を散布する。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

ブドウの栽培管理   (ブドウ科)

ヨーロッパ種はアジア西部のコーカサス地方、アメリカ種はアメリカ東部が原産地。日本では気候条件(降雨量)から、アメリカ種及び間生種の栽培が多い。
主要品種
・ヨーロッパ種:マスカット、オブ、アレキサンドリア、甲州、ネオマスカット
・アメリカ種:カトウバ、コンコード
・間生種:デラウエア、キャンベルアーリー、高雄、マスカット、ベリーA、巨峰、ピオーネ

1)整枝・剪定
日陰用に棚を作って栽培する方法が行われるが、狭い庭の場合には垣根仕立てや棒仕立てがよい。
結果母枝の剪定方法には短梢剪定(発生基部より2〜3節で切る)と、長梢剪定(7〜10節で切る)とがあるが、家庭でのブドウ作りには短梢剪定が適している。冬季剪定は12月〜1月下旬までが適期。時期が遅くなると切り口から樹液が流れ出て、なおりが悪くなる。
芽かき、摘心、誘引などの夏季剪定は葉、房への日当りをよくするために5月頃〜6月までに行う。

2)病害虫の防除
果房に被害を及ぼす晩腐病(果実に褐色の病斑ができ、やがて腐る)の予防には、芽出し前にベンレート水和剤の200倍液を枝に散布する。
ブドウスカシバの駆除は、6月中旬にスミチオン乳剤の1000倍液を散布する。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

イチジクの栽培管理   (クワ科)

西アジア、アラビア南部の原産。亜熱帯性の落葉果樹。
北海道を除く全国で栽培できるが、経済的栽培の北限は新潟、福島、宮城の各県を結ぶ地域になる。
主要品種
・夏果専用種:ビオレー、ドーフィン、サンペトロ、ホワイト
・秋果専用種:在来種、ネグロ、ラルゴ、セレスト、
・夏秋兼用種:カドタ、桝井ドーフィン、ブラウン、ターキー

1)整枝・剪定
株仕立てか、開心自然形、盃状形に仕立てる。
剪定は、結果枝を3節程度に短く切り返す。時期は2〜3月で、切り口のゆ合が悪く枝が枯れ込みやすいので、節間で切る。

2)病害虫の防除
大敵はカミキリムシ類。7月〜8月に成虫を捕殺するか、枝幹の虫ふんの出ている部分の穴に針金を突き入れ刺殺する。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

スグリ類の栽培管理   (ユキノシタ科)

世界中の温帯北部に多く自生する。栽培種には、ヨーロッパ原産のオオスグリと北アメリカ原産のアメリカスグリとがある。夏季に冷涼な気候を好み、冬は−35℃の低温にも耐えるので、寒地、高冷地に適する。
主要品種
・ヨーロッパ種:ホワイト、スミス、赤実大玉、ホートン
・アメリカ種:ピックスウエル、グレンダール

1)栽培管理
苗は挿し木でふやせるが、取り木が確実な方法。自家結実性が強いので特に混植する必要はない。株元から新梢が発生するので古い枝はいつまでも残さず、3〜4年で更新する。

2)病害虫の防除
うどんこ病が葉、果実を侵すので開花後に2〜3回は世界硫黄合剤の80〜140倍液を散布する。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

カキの栽培管理   (カキノキ科)

日本、朝鮮、中国が原産。日本で栽培されているカキは甘ガキと渋ガキに区別される。甘ガキは東北地方南部以南でないと栽培できない。
主要品種
・完全甘ガキ:富有、次郎、御所、伊豆
・不完全甘ガキ:禅寺丸、甘百目、西村早生、水島
・渋ガキ:平核無(ヒラタネナシ)、西条、四溝、会津身不如(アイズミシラズ)

1)整枝・剪定
枝の開きやすい品種(富有、次郎)は、開心自然形に、枝の立ちやすい品種(平核無、西条)は変則主幹形に仕立てる。
日当りが悪いと樹冠内部の枝が枯死してはげ上がるので、剪定は常に二等辺三角形になるように上部より下部へと行うことが原則。
側枝枝上の理想的な結果母枝の長さは20〜40cmで、花芽は先端より数芽に着生する。したがって、先端部を切り返すと果実がならなくなるので注意する。

2)結実管理
雌雄同株であるが、大部分の品種では雌花だけしかつかないので、雄花着生品種(赤柿、筆柿、御所、禅寺丸、正月)を授粉樹として混植したり、人工授粉などを行い結実の確保をはかる。受粉は不完全甘ガキの渋抜きをよくすることにも役立つ。

3)病害虫の防除
主要病害は炭そ病、落葉病、害虫はヘタムシ(カキミガ)。
6月中旬と8月上旬の2回、パダン水溶剤の1000倍液か、スミチオン乳剤の1000倍液と、トップジンM水和剤の1500倍液を混合して散布する。
また、薬剤を散布するかわりに、木の粗皮を2月下旬〜3月に削ることにより、カイガラムシ類、ヘタムシなどの越冬害虫を駆除することができる。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

キウイフルーツの栽培管理   (マタタビ科)

中国が原産地。果樹として栽培が普及されたのはニュージーランドに導入されてから。温帯性のつる性落葉果樹で、耐寒性が強く、関東以南では各地で露地栽培が可能。
主要品種
・雌品種:ヘイワード、アボット、モンティ、ブルノー
・雄品種:マチュア、トムリ

1)整枝・剪定
つる性で物に巻き付きながら成長するので棚仕立てか、垣根仕立てにする。
冬季剪定は結果部位から先の5〜6節を残して切り返す。
夏季剪定は結果枝の最終結実部位から先の7〜8節のところで摘心して、葉、果実への日当りを確保する。
徒長枝は随時撤去する。

2)結実管理
雌雄異株なので、植え付けにあたっては必ず開花期の一致する雄品種を混植する。

3)病害虫の防除
コウモリガの被害が多少発生する程度で、ほとんど薬剤散布は不要。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

ミカン類の栽培管理   (ミカン科)

インド、ミャンマー、中国が原産。
ウンシュウミカンは鹿児島県で発見されたもので、耐寒性が弱く、栽培できる地域は千葉県以南の海岸線に限られている。ウンシュウミカンは年間平均気温が15〜16℃以上で、オレンジ類や雑カン類などはやや高温を必要とする。
主要品種
1.ウンシュウミカン
・早生ウンシュウ:宮川早生、興津早生
・普通ウンシュウ:久能温州、林温州、今村温州、青島温州
2.オレンジ類
森田ネーブル、吉田ネーブル、白柳ネーブル
3.雑カン類
川野夏橙(甘ナツ)、三宝柑、伊予柑、晩白柚
4.ユズ類
ユズ、ハナユ、スダチ、シシユズ
5.キンカン類(キンカン属)
ナガキンカン、ニンポウキンカン

1)整枝・剪定
一般的に枝が開きやすいので、開心自然形に仕立てるが、心の立つ性質の種類(オレンジ類など)には、変則主幹形がよい。
ウンシュウミカンは太枝の近くに品質良好な果実が結果するので、側枝の切り返し剪定を行う。
オレンジ類や雑カン類は弱小枝に結果するので、間引き剪定を主に行う。

2)病害虫の防除
梅雨期に黒点病が発生するので、エムダイファー水和剤の600倍液を散布する。ヤノネカイガラムシの駆除には12月下旬にマシン油乳剤(95%)の30倍液を、8月下旬にオルトラン水和剤の1000倍液を散布する。
すす病を防除するためにはアブラムシ類、カイガラムシ類の駆除を行い発生を防ぐ。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

(3)その他の庭先果樹の樹種別手入れ

アンズの栽培管理   (バラ科)

中国原産。比較的寒冷な空気の乾燥した地帯が適地だが、庭先果樹としては暖地にも植えられている。
主要品種
平和、新潟大実、幸福丸、山形3号など。
樹形は開心自然形を目標に仕立てる。結果枝の扱い方は長果枝を1/3切り返し、中果枝、短果枝は密生するものを間引く程度。
年間施肥量の80%を11月に、20%を収穫後の7月に追肥として施す。
果実に灰星病、黒星病が、幹や枝に胴枯れ病、コスカシバが、葉にアブラムシ、ハマキムシが害を与えるので防除する。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

スモモの栽培管理   (バラ科)

アメリカスモモ(アメリカ)、ヨーロッパスモモ(プルーン、地中海沿岸)、日本スモモ(日本、中国)などがあるが、日本は多湿気候のためヨーロッパスモモはあまり栽培されていない。
主要品種
大石早生、ビューティー、メスレー、ソルダムなどがある。
整枝・剪定は、モモやウメに準じて行う。
自家不結実性なので、必ず二品種以上を植える。
アブラムシがつくのでアドマイヤー水和剤の1500倍液を散布する。
果実が小さいうちに奇形になるふくろみ病は芽出し直前に石灰硫黄合剤の140倍液を散布して防ぐ。病気が発生した果実は早めに摘果する。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

マルメロの栽培管理   (バラ科)

西、中央アジアの原産。冷涼な気候で、生育期間に降雨が少なく土壌排水の良い耕土の深い肥よく地に適する。
主要品種には、オレンジ、チャンピオンがある。
整枝は、開心自然形仕立てがよい。花芽は結果母枝の頂芽や、わき芽から伸びた新梢の先端につくので、あまり枝の切り返しは行わない。
黒星病、赤星病が主な病害、害虫としてはシンクイムシ、カイガラムシ、コウモリガなどの防除が必要。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

ザクロの栽培管理   (ザクロ科)

イランを中心としたアジア西南部が原産。温暖な温帯南部に適する果樹。
青森県でも結実するので、かなり耐寒性はある。
主要品種には、水晶ザクロ、甘味ザクロなどがある。
剪定は、光が樹冠内部に充分に透射するように込んだ枝を間引く。結果習性は充実した枝の頂芽とそれに続く2〜3芽のわき芽が翌年伸長して、その枝の先端に着果するので、結果枝の切り返し剪定は行わない。
シンクイムシ、イラガ、アブラムシ、ハマキムシ、カイガラムシなどの害虫駆除が必要。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

グミ類の栽培管理   (グミ科)

日本で自生する。低木または小高木で、落葉性と常緑性とがある。やや乾燥した砂質壌土を好むが、山野に自生することから適応範囲は広い。
主要品種は、ナワシログミ、ナツグミ、アキグミ、ナツアサドリ、ツルグミ、マルバグミなどがある。
整枝は、主枝5〜6本の開心自然形に仕立てる。株元からひこばえが多発するので整理する。
カイガラムシ類と春先の新芽につくアブラムシの防除が必要。

3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

クルミ類の栽培管理   (クルミ科)

栽培の多いシナノグルミ(カシグルミ類)は、コーカサス及びイランの原産。
冷涼で、降雨量の少ない、日照の多い所に適する。クルミ科で北アメリカ原産のペカンとともに結果までに長年月を要し、大木にならないと結果しないので、庭先果樹としては不向き。
主要品種
晩春、信鈴、清香、要鈴、南安などがある。
結実をよくする為には二品種以上を植えることが必要。
剪定は込み合った枝を間引く程度。時期は落葉後から1月上旬までが適期。
1月下旬以降になると、切り口のゆ合が悪くなるので避ける。
炭そ病、枝枯れ病、が病害。害虫としてはクルミミガ、アメリカシロヒトリ、クルミシンクイ、カイガラムシなどの駆除を要する。

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オリーブの栽培管理   (モクセイ科)

シリア、メソポタミアを中心とする西アジア一帯が原産。年間平均気温が15〜20℃が栽培に適する。カンキツ類の適温に似ているが、ウンシュウミカンよりも耐寒性ははるかに強い。
主要品種
マンザニロ、ミッション、セビラノ、ルッカなど。
自家不結実性が強いので他品種との混植が必要。
整枝は開心自然形がよく、剪定は徒長枝、密生枝、陰枝、衰弱枯れ枝などの間引きを行う。
炭そ病、オリーブアナアキゾウムシ、マエアカスカシメイガなどが発生するので防除する。

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ポポーの栽培管理   (バンレイシ科)

北アメリカ東部から北部が原産。日本の気候下では東北地方から九州まで栽培可能でよく結果する。
主要品種
アンクルトム、チーリー、アーリーベストなど。
植え付ける時に数本の木を混植するとよく結実する。
繁殖は実生が一般的で、樹形は変則主幹形になるように仕立てる。
剪定は込み合った枝を間引く程度で、枝先の切り返しは花が少なくなるので行わない。病害虫の被害は特にない。

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ナツメの栽培管理   (クロウメモドキ科)

夏に芽が出るのでナツメという。
ヨーロッパ東南部、アジア南部及び東部が原産。
乾燥を好むが土質はあまり選ばない。
主要品種に大実ナツメ、サネブトナツメなどがある。
枝はまっすぐに伸び、枝数はあまり多くないので重なり枝を間引く程度の剪定を行う。病害の被害は殆どないが、害虫でナツメコガの防除が必要。
7〜8月の間に数回、アタックワンAL液剤を散布する。

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フェイジョアの栽培管理   (フトモモ科)

南アメリカの温帯地方が原産。寒さにも強く、日本では東北や北陸地方でも栽培が可能。
主要品種
チョイセアーナ、シュパーパ、クーリッジなどがある。
自家不結実性の品種もあるので、授粉樹を混植すると多収穫できる。
剪定は込んだ枝を時々間引く程度。小枝ほど大きな果実が沢山つくので大切にする。

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ブルーベリーの栽培管理   (ツツジ科)

北アメリカ原産。性状の異なる7種類がある。
ハイブッシュ類が最も主要な種類で、耐寒性があり、寒地に適する。
ラビットアイ種は耐寒性が弱く暖地に向く。
ハイブッシュ種には、ウエイマウス、ハーバート、コンコード、ジャージイなどがある。
他家受粉によって結実率が高まり、果実が大きくなるため数品種を混植する。
剪定は3〜4年生樹までは不要であるが、その後は旧枝、内向枝を間引く。
病害虫は非常に少なく、ハマキムシ類がつく程度。
発芽期〜開花期にガードジェット水和剤の1500倍液を散布する。

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